はじめてのエシカルQ&A
消費者は8つの権利に加え、○つの義務がある
Q 消費者は8つの権利に加え、○つの義務がある
1. 3つ
2. 5つ
3. 7つ
答えは5つです!
YouTubeなどの動画配信サービスが人気ですね。中には、食べ切れないほどの料理を飲食店で注文し、食べるシーンを撮影し、当然食べ切れないからほとんど残してしまう…などという人たちがいます。彼らは「だって、自分たちはお客だし、よく、お客様は神様って言うでしょ?お金を払ってるのはこっちなんだから、残そうが何しようがこっちの勝手でしょ」と言います。
本当にそうでしょうか?
彼らが頼んだために、あるメニューは売り切れてしまい、ほかのお客さんが食べられなかったかもしれません。
飲食店で食べ残したものは、衛生上、再利用はしません。家畜のエサや植物の肥料(堆肥)としてリサイクルされるか、あるいは、ほとんどの店では「事業系一般廃棄物」として出され、店のコストだけでなく、市区町村の税金も使って、焼却処分などで廃棄されます。燃やして処分することで、二酸化炭素などの温室効果ガスが排出され、環境に負荷をかけ、気候変動に影響を与えます。
わたしたち消費者は、自分の消費行動や購買行動で、他人、特に社会的に弱い立場の人にどういう影響を与えるのかまで考えなければなりません。
また、自分の行動が、環境に対してどう影響するのかも考える責任があるのです。
このことは、1982年に国際消費者機構が提言した「消費者の8つの権利と5つの責任」に載っています。中学校の家庭科で習う内容です。このうち、消費者の「安全である権利」「知らされる権利」「選択する権利」「意見が反映される権利」は、米国のケネディ大統領が1962年に提唱した「消費者の4つの権利」です。1975年、ジェラルド・フォード大統領が「消費者教育を受ける権利」を追加し「消費者の5つの権利」と呼ばれるようになりました。
1982年には、国際消費者機構(CI)が、上の5つの権利に3つを加えた「消費者の8つの権利」と「5つの責任」を提唱しました。
日本では、2004年に「消費者基本法」、2012年に「消費者教育推進法」という法律が制定されました。わたしたちが責任ある消費者として行動することは、消費者市民社会をつくり、持続可能な社会の構築につながるのです。
SDGsの12番のゴールには「つくる責任 つかう責任」という目標が掲げられています。
SDGsの12番のゴール(国連広報センターHP)
「買い物は投票」という言葉があります。自分が買い物することは、「わたしはこの店(商品)を応援しますよ」という宣言にもなるのです。
2020年、コロナ禍においてはマスクが不足しました。マスクを、朝からドラッグストアに並び、買い占める人たちがいました。中には転売して、大きな儲けを得ようとする人もいました。
好きなだけ買い占めてしまうと、本当に必要な医療従事者や、ぜんそくなどの病気の人が、困ってしまいます。買い物になかなか行かれない人は買うことができません。
スーパーで牛乳を買うとき、賞味期限(あるいは消費期限)が新しいものを買おうとして、商品棚の奥に手を伸ばして買う人がいます。私が2300名近くにアンケートをとったところ、88%の人が「新しいものを買おうとして、奥から取ったことがある」と答えました。
すぐ食べたり飲んだりするのに奥から新しい日付のものを取ってしまうと、手前に置かれた、日付の近づいたものが残ります。値引きして売ろうとしますが、それでも売り切れない場合は、前に書いた「事業系一般廃棄物」として、店のコストだけでなく、市区町村の税金も使って焼却処分することになってしまいます。お金も無駄だし、環境にも負担をかけます。
私は「スーパーは みんなで使う 冷蔵庫」という標語を考えました。おうちの冷蔵庫だったら、牛乳の賞味期限(あるいは消費期限)が近づいたものと遠いものがあれば、近づいたものから使いますよね?それと同じように、スーパーでも、大丈夫だったら手前から取るのはどうでしょうか。
わたしたち消費者が納めた税金は、食べられる食べ物を燃やすためだけではなく、福祉や教育にも使われてほしいと、私は願っています。
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