はじめてのエシカルQ&A

数字でわかる食品ロス
家庭から出る生ごみのうち、およそ◯%が手つかずのまま捨てられている

Q 家庭から出る生ごみのうち、およそ◯%が手つかずのまま捨てられている

A

1. 25

2. 35

3. 45

foodloss_2.15.2021_01.png

答えは3です!

京都市の調査によれば、生ごみのうち、45.6%が、手つかずのまま捨てられているそうです。

出典: 京都市食品ロスゼロプロジェクト
http://sukkiri-kyoto.com/data

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京都の方言には、「しまつする(無駄なく使いきる)」という言葉があります。京都市は、かつて京都議定書を取り決めたCOP3(通称:コップスリー、気候変動枠組条約第3回締約国会議)が開催され、実は全国の政令指定都市の中で最も家庭ごみの発生量が少ない都市です。そんな京都市ですら、生ごみのうちの半分近くが一切手つかずのまま捨てられているというのは衝撃的です。全国の他の都市ではどれほど捨てられているのでしょうか。

では、京都市で廃棄される手つかず食品や食べ残しのうち、家庭での廃棄は一体どのぐらいのでしょう。平成29年度に実施された75世帯対象の調査によれば、1世帯4人家族による一年間の廃棄量は金額に換算すると61,000//世帯にも及ぶそうです。食べ物は、処分するのにもコストがかかります。この61,000円分の食品を捨てるのにかかるコストは4,000//世帯。したがって、一世帯あたり、年間65,000円もの食べ物=お金を捨てていることになるのです。

次にお店などではどれくらいの食べ物を捨てているのでしょうか。全国に55,000店舗以上あるコンビニエンスストアでは、年間平均で1店舗あたり468万円分の食品を捨てていることが、20209月に発表された公正取引委員会の調査でわかりました。

日本で、組織などに雇用されて働く人の平均年収は441万円です。つまり、ビジネスパーソンの平均年収を上回る金額の食品を、コンビニ1店舗で捨てているということになるのです。

しかも、これは平均ですから、もっと捨てているお店もあるということです。食べ物を捨てるための費用は、ここには含まれていません。

出典:468万円分食品を捨てるコンビニ 公取に改善要請を受けた本部はパフォーマンスでない食品ロス削減を(井出留美、202093日、Yahoo!ニュース個人)

食べ物は、自動的に生まれてくるものではありません。多くの資源を費やし、たくさんの人の手間や労力、時間をかけて生産されるものです。それは、いわゆる一次生産品といわれる野菜や果物、魚や肉でもそうですし、工業生産されるような加工食品でも同じです。食料品は一般的に単価が安いですが、その作られる背景を考えると、実は販売額よりも実質的には高価なものではないでしょうか。そう考えると、家庭で年間61千円、コンビニで年間468万円も捨てているという、その金額も、実は何倍も大きいかもしれません。

私がフードバンクの広報を担当していたとき、NHKの取材を受けたことがありました。撮影や収録は2週間に及びました。そのうちのワンシーン、東京都内の家庭ごみの収集現場を取材したときのことです。番組のために、家庭から集まったごみの中から、まだ食べられるもの、賞味期限や消費期限前のものを取り出しました。そうして集めたのがこの写真です。

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緑の手袋をはめているのが作業員の方です。この方が持っているのが高級和菓子、5,250円するもので、賞味期限は5ヶ月残っていました。他にもコンビニの菓子パンや鉄火巻き、ピザ、カツ丼、お惣菜、長ネギ、かぼちゃなどが出てきました。ごみ集積場ではなく、まるで商店みたいです。食べ物=お金であり、それ以上の価値がある財産であることを、もっと心に沁みて感じられたらなあ・・・と願います。

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プロフィール
井出留美(いで・るみ)
食品ロス問題ジャーナリスト。近著『食品ロスをなくしたら、1ヶ月5000円の得!』(マガジンハウス)『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書、4刷)。第二回食生活ジャーナリスト大賞(食文化部門)受賞。Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞
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