2019年9月14日

はじめましてと、エコとエシカル

環境コンサルタント 荒井里沙

興味があるミレニアム世代は、どんなエシカルがクールなんだろう? 環境コンサルタントの荒井里沙さんが、20代の「クール」を伝える連載がスタートします。第1回目は自己紹介から。エコとエシカルの「体感」の違いについてのお話です。

ことばについて 〜エコとエシカル〜

はじめまして。荒井里沙です。

みなさん、「エコ」ってことばに、どんな印象をもってますか。
そもそも、エコってなんでしょう。
解体してみると、こんな感じじゃないでしょうか。

・エコロジー(ecology)の略称。
・「生物学」という意味が転じて、「地球に優しい」というニュアンス。
・15年前くらいからお茶の間に浸透。
・商品やサービスの紹介に使われている。
・地球に配慮してるって、なんかいいことしてる感じ。
・省エネや物を買わないのは節約につながって、いい感じ。

「いいこと」感は溢れてるけど、手垢がつきまくってて、クールじゃない。
わたしは、エコということばに対して、そんな印象を抱いています。

「エコ」は、とくに省エネや節水といった家電販売の文脈で使われていることが多い印象です。
エネルギーや水資源の有効利用=環境負荷を下げる=地球に優しい。
そんな方程式が、この15年くらいで、みんなの頭にインプットされた気がします。

つまり、エコということばの広がりと一緒に、環境負荷低減のイメージも、
みんなの頭の中に植わっていったのだと思います。
そう考えると、ことばの力ってすごいものです。

一方で、「エコ」は、もはやクールではないというのが私の考えです。
クールっていうのは、私の・もしくは私と同年代の若者の「かっこいい!」という、ポジティブかつ主観的な感情です。
私は、15年前から商業的に使い回されたワードに、クールさを感じられません。
「エコ」だからやりなよ、なんて言われても、食指が動くことはそうそうありません。
環境問題に関心がある方の私でさえも。

「エコ」は、そのことばに乗せてエコの概念をお茶の間まで浸透させてくれましたが、陳腐化してしまった今は、そのことば自体からパワーが失われてしまいました。

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ぱくたそ(www.pakutaso.com)

ただ、ポイントは、エコの概念そのものは、気候変動問題、プラスチックの海洋汚染の問題といったように
むしろどんどん逼迫性をまして、社会にとって重要視されているということです。だけど、それは「エコ」じゃ伝えきれなくなってきています。
私たちには、新しいことばが必要なのかもしれません。

一方で、最近耳にすることが多くなった、「エシカル」。
このメディアのタイトルにも、ばっちり入っています。
「倫理的な」という意味のことばで、とくに「環境保全や地域・社会に配慮した」という意味で使われます。

地域・社会も含まれているので、エコということばの指す範囲より、もう少し広い概念です。

この世の中の不平等を、経済や人、環境などのいろんな面で見てきている
"先進国"で生まれた今の三十代より下の世代たちは、この世界ってこのままじゃダメだよねっていう認識が、根底にあるんじゃないかな、と思います。

そこで無気力になる人もいれば、今の暮らしが継続していけばいいやと思う人もいる中で、環境や社会に配慮して暮らすことがより幸せにつながるんじゃない、って思う人もいる。
だから割と、エシカルっていうことばは、私たちにはクールに響くのです。

「エコ」だって、「エシカル」と同じように、より良い世界を志向することばです。
概念はいつだって古びないけど、世の中の変化に応じて、ことばのアップデートは必要ではないでしょうか。

「エシカル」も、エコということばと同じように、手垢にまみれる時がくるでしょう。
でも、その時は、エシカルという概念が当たり前に根付いた時と言えるのかもしれません。
そんな未来のためなら、こうしたことばをあえて使ってみるのも、悪くないんじゃないかな。

とはいえ、「エシカル」って具体的になんだろう。
ふわふわした概念ことばは、実質的な行動と事例が明らかにしていくはず。
そんな考えのもと、エシカルに関するあれこれについて、
みなさんにシェアしていけたらいいなと思っています。

プロフィール
荒井里沙(あらい・りさ)
株式会社サティスファクトリー所属の環境コンサルタント。食に興味があり、こだわって作られた食材や美味しい料理には目がない。食と社会課題を結びつけるイベントや、サステナブルレストラン協会の日本事務局などの運営に携わる。趣味は旅とフラメンコ。
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