2020年3月 2日

3つの食べきり術&レシピ【パルミジャーノ・レッジャーノ 後編】

チーズプロフェッショナル 佐野嘉彦

「おいしいチーズを余すところなく食べて、MOTTAINAIをなくそう!」そんな連載が、この【なくそう!チーズの食品ロス】。日本でも比較的なじみのあるチーズを、毎回テーマに取り上げてお伝えしています。

前編でご紹介した「パルミジャーノ・レッジャーノ」の基本や保存のコツに続いて、この後編では、3つの食べきり術&レシピをご紹介。普通なら捨ててしまうようなパルミジャーノの硬い皮も、実は"うま味のかたまり"。そんな皮の料理活用も伝授します。

【パルミジャーノ・レッジャーノ 前編】はこちら

最高のズボラ飯!?【パルミジャーノ・レッジャーノごはん】

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写真提供:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会


炊いた白米にオリーブオイルを和えて、パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりと削りおろすだけ!シンプル極まりないものですが、これがまた、なんともおいしい。

抗酸化作用のあるオリーブオイルは、もちろんエクストラヴァージンのものを。また、気になる血糖値の上昇も、白米がオリーブオイルでコーティングされることで、緩やかになるのだとか。

パルミジャーノ・レッジャーノは、長期熟成によるアミノ酸分解が進んでいるので、良質なたんぱく質がスッーと体にも取り込まれていくわけですし、マイルドな塩味とうま味が利いた【パルミジャーノ・レッジャーノごはん】は、おかわりしたくなる一品です。

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また、TKG(たまごかけごはん)にもおすすめ。パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりと削りおろす代わりに、醤油は少し控えめに。これまた、日本とイタリアが融合した"最高のズボラ飯"になるでしょう。


皮をレンチン!【ポップコーン風パルミジャーノ】


パルミジャーノ・レッジャーノは、平均約40kgの大型チーズ。最低でも12ヶ月は熟成させるなかで、チーズの表面は磨かれ、厚く硬い表皮ができていきますが、特殊な液体やカビを活用して形成される外皮ではないので、皮もチーズ生地の一部といえます。そのまま食べるのは難しくても、うま味のかたまりであることは間違いないのです。

そこで、皮まで食べきる料理術をいくつかご紹介します。まずは【ポップコーン風パルミジャーノ】。

まず、包丁で1.5cm角に皮をカットします。オーブンシートを敷した耐熱皿に、間隔をあけながらカットした皮を並べて...

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写真提供:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会

電子レンジで約1分加熱するだけで完成!小腹が空いたときのスナックとしても大活躍します。

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写真提供:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会

同じ要領でオーブン焼きにしてもOK。より香ばしい味わいが楽しめます。

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写真提供:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会

パルミジャーノ・レッジャーノの皮でつくれる簡単スナック。栄養価もあって、添加物不使用ですから、こどものおやつにもピッタリです。


皮を入れて煮込むだけ!【ポトフ&ラグー】


繰り返しますが、パルミジャーノ・レッジャーノの皮は、うま味のかたまり。そのまま煮込み料理に入れるだけで、コク豊かな出汁がじわーっとしみ出てきます。

季節の滋味深い野菜でつくるポトフやスープも、コンソメやブロードだけでなく、パルミジャーノ・レッジャーノの皮から引き出されるうま味や油分で、グッとリッチな味わいに。

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写真提供:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会

また、ミートソースやビーフシチューのような、ガッツリ肉系のラグー料理でも、本領発揮。一味も二味も深みが出ます。

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写真提供:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会

削って、スライスして、かち割って、さらに、皮まで活用!パルミジャーノ・レッジャーノは、まさに"始末の精神"で、余すところなく味わえるチーズです。

おいしく、食品ロス対策。せっかくのチーズを"ミイラ"にしないで、堪能しましょう!

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プロフィール
佐野嘉彦(さの・よしひこ)
ニューヨーク発祥のレストラン評価ガイド『ZAGAT』日本版の編集マネージャー、ワインスクールでの講師、料理通信社での勤務、チーズに特化したWebマガジンの編集長を経て、現在「sembrar(センブラール)」を屋号とし、食を中心とした情報発信を行っている。NPO法人チーズプロフェッショナル協会・関東支部幹事、Guilde Club Japon認定コンパニョン・ド・サントュギュゾン。著書に『ツウになる!チーズの教本』(秀和システム)があり、『イタリアチーズ通信講座』(Vino Hayashi)の監修も手がける。
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